プログラマの勉強会におけるプレゼンテーション手法やツールの考察

このテーマだいぶ前から書きたかったのです、しかし書こうとすると言いたいこといっぱいあって長くなるので、躊躇してたというかタイミング見計らってたのですが、書けそうな気分なので書きます。


昨日、2012年9月1日に

函数プログラミングの集い 2012

という、かなり大きめの勉強会(という名目のもと女子大に侵入するということでwktkするイベント)が行われました。自分は発表してませんが、ちゃんと10時にお茶の水女子大に到着し、様々な方の発表を聞いてきました。今まで、過去数十回このようなイベントに参加してきてそれなりに多くの発表を聞いてきたし、自分も何度か発表経験もあります。


こういった勉強会で発表する場合、

  • 当日急遽発表することになった
  • ライブコーディングだけする
  • ハンズオン

などでない限り、みんな事前にある程度の時間をかけて資料を作ると思います。そのプレゼンテーション資料の

  • 作り方
  • どのようなツールを作ってつくるか?
  • 作ったあとに、どのように公開するか?
  • 公開するタイミング

などの話です。
べつにはっきりした、結論や正解はないというか、

  • 勉強会の種類毎に使い分ける
  • 人によってそれぞれ個性があっていい

というものでしょう。まぁしかしそういったことについて今まで自分が感じたことについてひたすらだらだらと書いていきます。


分類してみると

  • 作るときの便利さ
    • いつでもどこでも簡単に作れる?
    • webブラウザから操作できて、ネット上でつくる(google docsなど?)
    • ローカルのアプリでつくる?(power point や keynote ?)
    • windowsでもmacでもlinuxでも同じようなソフトでつくれる?
    • iPad上で作れるやつとか最近ある?
  • 見た目の綺麗さの印象の問題
  • 写真の注入(のやりやすさとか)
  • 動画とかまで組み込んじゃう?
  • 機能的な問題
    • webへのリンクがワンクリックで飛べるようにできるか
    • 文字も全部画像として変換されてしまって、あとからそれの「コピペ」さえ出来ないフォーマットに落とし込まれてしまう場合
  • フォーマットの問題
    • pdf ?
    • html ?
    • 複数形式で出力?
    • それぞれのフォーマットのメリット・デメリット
      • iPadやスマフォからでも見やすいか?保存しやすいか?
  • 作った後の公開のしやすさ
  • どのサイトに公開するか?
  • ツール
    • そもそもツールによって「作成と公開がある程度一体になってるケース」
    • vimemacs 使って作成?
  • プログラマ的には「もとの資料をmarkdownなどのテキスト形式で記述し、なんらかの変換処理を施すことによってpdfを生成」という形式を好む場合とか
    • そうすれば git で version 管理がしやすいじゃん
  • 公開場所
    • http://slideshare.net , https://speakerdeck.com , 自分のホームページ、自分のgithub page 、blogに組み込む、その他いろいろ・・・
      • http://slideshare.nethttps://speakerdeck.com などは、それ自体がSNSになっており、「いいねボタン」「フォロー機能」がある
        • 「プレゼンテーション公開SNS」を使うことによるメリット・デメリット
        • 「プレゼンテーション公開SNS」としての視点からみるなら、他の人がより多く使ってるサイトがいいけど、最近の流行やデファクトどこなの?
        • 「プレゼンテーション公開SNS」のサイトを使わない場合に、「いいねボタン」に相当する「あとから反応を見る」機能はどうするの?
  • 公開タイミング
    • 事前に読んでもらったほうがよいからweb上に公開などしておく?
    • ustreamで生放送で配信する勉強会の場合の考慮事項
      • usteram経由の視聴者にとっては、文字が小さくて見れないなどの理由により、事前に公開してくれたほうがありがたい場合が多い
    • 事前に公開しないほうがいい場合(公開してしまうとデメリットがある場合)
      • トーリー性がありいい意味で聞き手を驚かせることを意図する発表や、当日アンケートをとって手を上げてもらう発表の場合
      • 昨日の関数型プログラミング2012でも、まさにこのパターンの発表がありました
    • 勉強会の最中に、他の発表者のプレゼンテーションを受けて、直前に編集する必要に迫られる場合とか
      • ある意味、プレゼンテーション資料を発表中に編集しながら作り上げていくというアドリブ性?
    • そもそもあとから、公開しないという選択肢
      • 様々な事情でオンラインには公開しづらく、"当日に使うだけのもの"という位置づけ
    • 「当日のための資料」としての価値と「あとからその資料を見た場合のことを考えた見やすさ」の価値とどちらを重視するか
      • 完全に別につくる?
      • 全く同じもの?
      • ちょっとだけ修正して公開?

自分が考え感じている
「プレゼンテーション作者が考えるべき事項、の分類と列挙」
だけしたら疲れて、それに対する自分の意見をそれぞれ述べるの無理ですね・・・。


個人的な今までの経験上、一番時間かけて気合入れて作ったプレゼンテーションは、Scala会議でのSBTの資料ですが

みなさん、この資料見てどう思いますか?まぁこんなものです、まだまだですね。
作成方法と公開タイミングは

  • google docsで作成
  • google docsの機能で一旦pdfでローカルにダウンロード
  • 詳しく忘れたが、発表直前もしくは発表直後にslideshareにて公開
  • あとで細かいところ修正してuploadし直した覚え
  • それなりに、数ヶ月たっても見てくれる人いた
    • 一部記述が古くなってしまったのでslideshareに自分でコメントして注意事項を追記したり

今まで、それなりに多くの勉強会に参加して、もしくは「勉強会の資料を後からtwitter経由で知り読む」という行為を毎日のようにしてますが、自分より作り方うまい人ばかりで死にたくなりますね。


昨日の函数型プログラミング2012の発表者の方々も、100人以上集まるイベントとあって、みな気合入れてつくったと思いますが、素晴らかったですね。
簡単に何点か挙げますが、あくまで個人的な感想としては

  • @tanakh さんの発表で使ってたツール(名前知らない)とか、ああいう「htmlで作成されていて、矢印キーを押すことによってページ移動」って見た目かっこよくていいんですが、ちょっと後からiPadやスマフォで見る場合見づらいし、pdf版が欲しくなることあるし*1個人的にすきじゃないなーとか。
  • tanakhさんの件と似たような理由できょんくんの資料http://prezi.com というサイトもあまり好きではないなー、このエフェクトカッコイイけど、プレゼン資料をみる側としては個人的に微妙だなーとか(作り手として利用したことはないからしらない)
  • 関数型プログラミングの今昔(仮) の場合は、発表の特性上、「事前に資料公開できない(しないほうがよい)典型的なパターンだなぁ」とか
  • よんたさんが、"事前に似たような発表があった"、"発表時間がちょっと短くなった" ことにより、当日も修正していたなぁーとか
  • 継続開発のススメ Erlang/OTP 編 の場合、gistのみの発表資料って珍しいわけですが
    • 見た目のかっこ良さや派手さはない
    • あとから読みやすい & 作る本人が簡単につくれるという点ではとてもメリットがある
    • ustream視聴者(もしくは後ろのほうの席の人?)から、「文字が小さくて見えない」という声があり、そこは明らかにデメリットだったなぁ

とか。もちろん、発表自体やその内容はみな素晴らしかったわけですが、
「プレゼンテーション資料やツール」という視点を中心にみるとこういう見方ができるなーという話です。




ところでちょっと話変わって、自分は

超簡単にかっこいいSlideを作れるサイトをつくったよぉーー

というエントリーを書いたことがあり、今もこのサイト動いています。

などを実現したものです。しかし欠点として

  • pdf出力できない => 変換して slideshare にuploadしたくてもできない
  • 一つのファイルとしてそもそもローカルに保存できないから、オフラインで見るの絶望的
  • Google App Engineのサイトが落ちたら死

などあります。
自分は何度かこれで発表した経験があります。(Scala会議の際はこのツール発明する前)
ほとんど聞かないですが自分以外には、りりろじさん が、 #rpscala のときに使ってくれていたような。



まぁだいぶ長くなりましたが、こんなかんじです。もっとたくさん勉強会の発表聞いて、自分ももっと発表うまくなりたいです。
似たようなテーマでみなさん思うこととか、「自分はプレゼンの際こういう工夫をしている!」というこだわりがあれば、このblogにトラックバック送ってblog書くなり、twitterで反応くれると有りがたいです。

*1:あのツールってpdfも生成できるの