Scala祭と日本のScalaコミュニティ

終わってからだいぶ日数が経過しましたが、感想を書いておこうと思います。


去年は運営には関わりませんでしたが、今年はある程度運営に関わりました。主に

  • ニコ生の配信に関して社内の担当者と連絡
  • 数日前のノベルティ袋詰
  • 前日準備
  • 当日の準備、片付け、細かい雑務
  • ホームページの更新の手伝いを少し

などでしょうか。他に働き過ぎた人から比べれば、多分それほど働いていない方だと思いますが、終わってみると「とにかく疲れた」という感想が一番大きいです。みなさんお疲れ様でした。
自分がこういうことあまり得意ではない?慣れてない、というのもあるかもしれませんが、正直来年も積極的に手伝えるかどうかはわかりません。何かしら他のことが忙しかったりしたら、絶対無理だと思いました。


運営側、参加者側からみたScala祭の個人的感想と、あとは
そもそもカンファレンス運営の何が大変なのか?」
というあたりを書こうと思います。

個人的感想については、色々とぶっちゃけた正直な感想を書くので、人によっては嫌な感じを受けるかもしれませんが、ご容赦ください。




まず全体のセッションとかの、主に参加者としての感想



1日目

  • 小田好先生のやつは、大体ほかのカンファレンスで話された内容だったので、大体知ってたし、あまり聞いてなかったすいません。ただ、ScalaがPizzaで作られていた新事実が発覚したのでよかったです
  • よこたさんのsbtのやつも、自分にとってはだいたい知ってる内容だった。けど、あとで個別に色々話をして、とてもおもしろい話きけたのでよかった
  • Jon PrettyさんのRaptureの話、みんなが「よさそう」とかしか曖昧な?感想しかいわないから、天邪鬼的な感じで、わざと批判的な感じ悪いtweetしてましたすいません。たぶんほとんどの話は、Rapture自体がいい、というよりScalaや型クラス自体が便利、という話だったのではないか、とも思ったので
  • Yevgeniy Brikmanさんのは・・・、たしかに面白かったけど、もっとLinkedIn内部の具体的なPlay2やScala事情聞きたいなーとも思った
  • 瀬良さんのは、もとからたぶん大体知ってることだったのと、twitter上で「日本人が英語で発表することについて」の議論を自分が白熱させてしまったことにより、あまり聞いてなかった感・・・
  • この次も、Bにいた気がするけど、同じくあまり聞いてなかった・・・?自分にとってはScalaを仕事で使うのあたりまえ過ぎるので、はてなに限らず、普通の採用事例聞くのは、だいぶ飽きてる*1
  • Twitterの丹羽さんの話、発表のやり方もうまかったし、内容もよかったし、個人的には一番良かった。後で直接話して色々聞けたのもよかった
  • 次はBでTaro L. SaitoさんのSilkの話を聞いていたはずだが、疲れていたのか、運営側の手伝いしてたのか、あまり記憶が無い・・・
  • 島本さんのマクロの話、内容としては自分にとっては別に新規性はなかったけど、説明上手いのと、spireのところでとても共感して、すごくよかった
  • todeskingさんの話、懇親会準備してたので、あまり聴けてなかった。個人的には、もっとRubyから見てのScala自体や、Scalaのツールまわりを厳しく批判してもらうのを期待してたけど、自分が思ったよりはおとなしい?というか、淡々とRubyScala比べていた感じらしい?
  • LTは、疲れてたし、懇親会盛り上がってたし、あまり聴けてないですね・・・。1日目、朝から夜まで盛りだくさん過ぎたので、運営側としては、色々考えないといけないかも・・・


2日目

  • 準備と1日目で、すでに疲れて燃え尽き気味・・・
  • なぜかA会場で、そこまで詳しくないのにakkaのActorの話(しかも超初心者向け?のみで終わった)けど、好評だったのかどうかよくわからない・・・。他の人に譲ったほうがよかった感もある。そして裏でやってたsbt被害者の会にでたかった。
  • もう時間たって、それほど印象に残ってること少ないので省略・・・
  • 最後わりと本当に自分のその場の思いつきでやったパネルディスカッションが、思ったより好評だったのはよかったです。参加してくれたみなさんありがとうございました

運営側としてのScala祭とか、その他全体として関わってみての感想

  • 去年も少し運営に関わりたい気持ちもあったけど、最初のミーティング行きそびれたり、体調悪かったりで関われなかったので、それなりに関われた、という意味ではよかった
  • 色々反省点やトラブル(?)はあったが、全体としては成功というか無事に終わってよかった
  • 他のカンファレンスでも同じ問題を抱えてるのだと思うが、とにかくボランティアベースで人力で頑張るの、どうにかならないかなーと思う
  • 同じ実行委員側のなかでも、フリーランスの人とか、こういう業務が得意な人にタスクが集中しがち
  • 時間に対するお金、という面でみたら、「運営委員は6000円の参加費免除」というだけでは、みんな絶対わりにあわない働きをしている
  • かといって、お金が儲かったからといって、それを運営委員に配分するのも、それぞれ働きぶりが違うし "「誰がいくらもらうのか?」を決めるのを誰がやるのか?" という問題が発生し、事実上不可能
  • 「なんで日本人が英語で発表してるんだ」問題で、実行委員側でも話白熱しすぎて疲れた
  • 去年も感じたが、ほかの国でやってるScalaのカンファレンスに比べれば、個人的には全然日本のScala祭はレベル低いのに、妙に盛り上がってるまわりを見ると、変に冷めた気持ちになる
  • 最近は、もう「Scalaが好き」とか「Scalaがものすごく普及して欲しい」という気持ちがそこまで強いわけでもなく(ないわけでもないが)、「自分がScalaで仕事していく上では、もう十分普及したなー」とかを改めて考える機会になった。
  • けど、2日目終わった後に関西の人と話したときに「関西ではまだまだですよ!」的なこと言われて、まぁたしかにそうだなーと思い、出来る範囲で普及に役立つ地味な活動も継続していきたい
  • それはそれとして、もう自分にとっては十分普及してるし、普及させようとする人も増えたし、関わりかたを見直すというか、他の人がやれることは他の人にまかせて、自分しかやれないというか、自分が得意なこと頑張ったほうがいいとも思った

カンファレンスを運営するのに何が大変か

とりあえず、思いつく程度に、なにが大変なのだろう、というところを挙げてみる

  • 海外からゲスト呼ぶ
  • こっちから頑張って交渉しないと来ない(というくらいのレベルのカンファレンスである)
  • 交渉できる英語出来る人が必要(それが出来る人が限られていると、その人に負荷が集中する)
  • 招待する海外ゲストには、渡航費や宿泊費を出すので、金が必要
  • 金は、スポンサー様や参加者のチケット代から
  • スポンサー様には、単に金を出してもらうだけではなく、それ相応の特典を用意する必要がある
    • どういう特典を出せば満足してもらえるか考えるところから
    • 個々のスポンサー企業と何度もやりとりする手間
  • 参加者からチケット代をとると、単なる勉強会とは全く異なった、ある意味「主催者」と「お客様」の関係になり、「金払ったのになんでこんな(ry」という意味で、カンファレンスに対する期待値が一気に上がる
  • ただでさえボランティアベースで運営大変なのに、赤字になったら絶対続けられないので、チケット代、スポンサーの枠、海外ゲスト何人招待してどこまでの費用負担するか?などの調整、バランスが超絶難しい
  • 開催日時は絶対決まってるし、それらは平行してやらないといけない
  • 参加者に対してチケット販売する時点で、出来る限りプログラムを決めておいて発表したい、などあるが、上記に書いたように色々難しい
  • 普通の勉強会では必要ない、ある程度しっかりしたwebページ作成
  • 食事の用意(今回は、1日目昼、夜、2日目朝、昼)
  • 同時翻訳と、事前に翻訳した字幕を入れる
  • 他にもとにかく数えきれない細かいタスク増えるし、ある程度のチケット代を徴収する以上、あらゆる細かいところに気を配って参加者に満足してもらわないと、となる
  • 個人的には、参加人数が2倍になると、タスクは2倍でなく4倍とかのオーダーで増える気がする?
  • もうこうなると、Scalaの技術力とか全く関係なく完全に別の能力やスキルが求められる領域
  • それを「Scalaを広めたい」という情熱がある人?の善意のみで、どこまで大規模にして続けていけるのか、がよくわからない


あと、Scala勉強会需要がかなりあり、最近100人規模でやっても簡単に埋まる感じになってるので、Scala祭のような大規模な海外ゲスト呼ぶものはそれはそれで頑張ればいいと思うのですが、上記のような面倒が発生しない100人規模くらいの無料の勉強会を、もっともっと気軽に1〜2ヶ月に一回くらいのペースでみんなどんどん開催すればいいとも思いました。
何度も書きますが、弊社のこれ

http://www.doorkeeper.jp/%E4%BC%9A%E5%A0%B4/dwango

基本的に誰に対しても無料で貸し出しているので、もっと利用してください。「完全な営利目的、もしくはリクルートのみ」で、明らかに勉強会ではない謎イベントだと断るようですが、普通の勉強会なら歓迎です。





色々と書きましたが、題の「日本のScalaコミュニティ」について、べつにあまり書いてないですね・・・。ただScalaの言語自体や、技術的な話より、とにかくそこを考えさせられました。うまくまとまってないですが、とりあえずこんなところにしておきます

*1:けど、運営側としては、まだそういう話は必要だとも思ってる