Phil Bagwell Awardって何?という人は、まず以下を読んでください。
簡単にまとめると
- Scalaコミュニティに対して貢献した人に送られる賞
- 2013年から
- (いまのところ?)毎年1人だけ
- "Phil Bagwell" というのは人の名前で、その人にちなんでつけられた
- あくまで賞の名前がちなんでつけられただけで、賞の内容は上記に書いたような "Scalaコミュニティに対して貢献" らしい?
- 今までの受賞者は以下
- 2017: Josh Suereth
- 2016: Erik Osheim
- 2015: Bill Venners
- 2014: Lalit Pant
- 2013: Dick Wall
"Phil Bagwell" さんについてですが
- 2012年に亡くなった https://www.lightbend.com/blog/rip-phil-bagwell
- Odersky先生と同じEPFL所属だった
- 主にデータ構造などで有名な研究者だった?
- 論文まとめ https://www.researchgate.net/scientific-contributions/70903836_Phil_Bagwell
- ClojureやScalaのVectorに影響を与えた元論文がこの人の作?(これだっけ? https://lampwww.epfl.ch/papers/idealhashtrees.pdf )
- Vector的なデータ構造のやつだと、こういうのも https://infoscience.epfl.ch/record/169879/files/RMTrees.pdf
- こういうところにも名前が scala/ByteswapHashing.scala at v2.13.0 · scala/scala · GitHub
- (First Authorではないが)Scalaのparallel collectionの論文にも名前ある https://infoscience.epfl.ch/record/150220/files/pc.pdf
- あとは自分もそんなに詳しくないので、調べれば色々出てくると思うので、各自調べて
さて、賞の発表の様子ですが、いまのところ以下しか自分も知りません。Scala Days 2019(今年はスイスのEPFL開催)の最後で発表されたらしいです。
2018 Phil Bagwell Award winner @xuwei_k #ScalaDays2019 #ScalaDays pic.twitter.com/cp5YzO3nEc
— Andrea Mocci 🇪🇺@🇨🇭 (@andreamocci) 2019年6月13日
少しだけ前に知らされてましたが、色々忙しかったりで、気の利いたコメント送るとか何もできなかったんですが、現地の様子はどんな感じだったのだろうか・・・。
少し前まで、2017年までの受賞者までしか名前がなくて、もう2019年中盤だから、2018年は該当者なしだったのかな?と思っていたら、
自分が2018年の受賞者で、2019年の受賞者も同時に発表されたようですね(2019年まだ半分以上残っているが・・・? https://twitter.com/andreamocci/status/1139203229374439424 )
受賞したからといって、何か貰えるとか、なにかの役割や責任を負うとか、おそらくなにもないと思うのですが*1 、 引き続きScalaコミュニティが存続、発展するように頑張ろうと思います。 (公式サイトよく読みかえしたら、次回以降の選考者になることは書いてあった)
"何か貰えるとか、なにかの役割や責任を負うとか、おそらくなにもない" という点では、あえて言うなら、おそらくMicrosoftのMVPに近いものなのかな?と思いますが*2、雑に調べたら
Microsoft Most Valuable Professional - Wikipedia
受賞者は同社との秘密保持契約を結ぶことで、マイクロソフトから技術情報の提供などのサービスをうけることができる
というのがあるらしいし、
受賞者は全世界で3000人超、日本国内でも260名を超える者が受賞している
とも、あるので、そのあたりは少し違いますね
(Scalaのこの賞は、上記に書いたように今のところ、1年に世界で1人ずつ)
あと、どういう基準で選ばれる、選ばれたのかや、自分が具体的に何に対して貢献した部分が評価されたのか?もあまり聞いてないんですが、多少はあとである(当日の動画とか、公式サイトの更新)と思うので、何かあれば追記します。
ノミネートはここでやっていたみたいですね
ひとまずScala 2.13.0リリースされたので、それの対応で忙しいです。 あと若干余談というか、ついでに書いておきますが、Scala 2.12から2.13でのコミット数が6位くらいで、lightbendやscalacenterの人除くと2位くらいだったらしいです。 (tweetで1位と言ってるけどそれは嘘でした) (育児休暇中ずっとやったおかげで最近はあまりやれていない)
"A. P. Marki" さん (som-snytt) は多分 Lightbend でも Scala Center でも無い気が
— ∃ugene 🥙yokot∀ (@eed3si9n_ja) 2019年6月11日
動画公開されてました。
おめでとうございます。
— ∃ugene 🥙yokot∀ (@eed3si9n_ja) 2019年6月17日
吉田さんから原稿をもらえなかったので、「まずは母に感謝したいです」から始めて、会うとシャイだけど優しい所もある、書道部出身であることや、徐渭 (Xu Wei) の話などを交えて僕が勝手に受賞している音声が聞こえるようになりました。https://t.co/Lhu7gKyKBk
追記:
聞かれたので例のリスト貼っておきます 🙏 https://www.amazon.co.jp/hz/wishlist/ls/2RZRUCNBCI0X2
*1: そうらしい https://twitter.com/jsuereth/status/1139437247634300929
*2:自分がたんにこういう賞を他に知らないだけ、といえばそう